夕方になると足が疲れてむくむ。腰が重い。O脚や外反母趾が気になる。——毎日10時間以上足に密着しているのに、ほとんどの人が疑ったことのないものがあります。靴です。
こんにちは、宮崎ほくとです。神経科学に基づいたトレーニングの資格を持つトレーナーとして、体を根本から変える方法をお伝えしています。
結論からお伝えすると、本当に良い靴は「ペラペラで、真ん中から折り曲がる靴」です。足には片足28個の骨と、その間すべてに関節があります。ソールの硬い靴はその動きを封じ、足からのインプットを奪ってしまいます。この記事では靴の選び方の基準と、足の動きを取り戻す3つのトレーニングをお伝えします。
多くの人が考える「いい靴」はだいたい間違っている
今回は、体のパフォーマンスを最大化する靴の選び方をお伝えしていこうと思います。
ほとんどの人が気付かないんですが、皆さんがいつもはいている靴。これが皆さんの体調だったり、日々のエネルギーを奪うことだったり、体のパフォーマンスを低下させることだったり、そういうことにつながっています。靴を変えてあげることによって、それだけ皆さんの体が動けるようになりますので、その考え方や方法をお伝えしていこうと思います。
まず最初にお伝えしていきたいのは、多くの人が考える「いい靴」というのは、だいたい間違っているということです。
もちろん、デザインやファッション的にいい靴というのはたくさんあるんですけれども、そういう話ではなくて、自分の足に合った、パフォーマンスを高めてくれる靴。いろんなメーカーが「こういう靴がいいですよ」と言っているんですが、そういうことはだいたい大間違いです。
僕がこれからお伝えしていくことはすごく大事なことですので、しっかり覚えて自分の靴選びに活かしていただきたいと思います。最後には、その靴をどうやって使いこなしていくか、自分の足を「靴を使いこなせる足」に変えていくかというトレーニング方法もご紹介していきます。
本当に良い靴=ペラペラの何もない靴
早速ですが、本当に良い靴とはどんなものでしょうか?それは今、僕がはいているんですけれども、こういう靴。ペラペラの何もない靴、これが最強です。

なんでそんなことが言えるかというと、僕たちの足の骨は左右で56個、片足28個ずつ。これだけ多くの骨で構成されています。そしてこれらの骨と骨の間には、全て関節が存在しています。
これがどういうことか、皆さんお分かりでしょうか。関節がある場所——肘や肩——これは僕たちの体の中で唯一動ける場所ということになります。どんなに動きのいい人でも、関節のない場所は動かせませんね。当たり前ですが。
つまり、足というのは、それだけしっかり動かなければいけない場所なんです。
ですが、靴メーカーが勧めるようなソールがしっかりしている靴をはくことによって、僕たちは足の可能性を自ら制限しているということなんです。
足の形状を地面の形に合わせて動かすということができない。それだけではなくて、骨と骨の間にあるたくさんの神経から、自分がどういう地面を踏んでいるのか感じられていないということになってきます。
脳がすることは3つしかない — インプット・解釈・アウトプット
これは僕が皆さんに神経科学をお伝えする時によくする話なんですけれども、僕たちの脳がすることは3種類しかありません。インプット、解釈、アウトプットです。
- インプット — 自分の体の感覚を感じること
- 解釈・統合 — 感じたインプットに意味づけする作業
- アウトプット — 最終的に体を動かすことだったり、何かを考えることだったり、痛みを発することだったり
足の骨と骨の間にある神経から十分なインプット、正しい量のインプットが来ていないということは、そこから生み出されるアクション、足の動き、体のバランス、そういったものに影響が出てくるということになります。
その結果何が起こるかというと、腰痛であったり、足の疲れ、むくみ、O脚、外反母趾などの原因になっていくと言えます。
靴の選び方 — 売り場で真ん中から折り曲げてみる
ですから皆さんが何をしていかなければならないかというと、普段の生活の中で足がちゃんと動くようにしていってあげなければいけません。
そこでベアフットシューズ、というか柔らかい靴をはいていただきたいのですが、僕みたいなこんなペラペラの靴——これはマリンシューズですから——これをはくのは抵抗があるよ、という方もいると思います。そこで皆さんにおすすめの靴の選び方というものがあります。
靴売り場にいって、靴を手に取ってみてください。そこで靴の真ん中から折り曲げてみてください。

ちゃんと真っ二つに折れ曲がるかどうか。大体の靴はつま先は動きますが、真ん中の部分、ちょうど土踏まずのあたりは曲がらないようになっています。これはすごく大きな問題です。
ですから、それがちゃんとできるのかどうか。左右にひねってみて、そこも可動性があるのかどうか、そこもちゃんと確認するようにしてください。
⚠️ 硬い靴から急にペラペラの靴へ切り替えると、足底やアキレス腱を痛めることがあります。最初は短い時間から、少しずつ慣らしてください。すでに足底腱膜炎・外反母趾の痛みがある方、糖尿病などで足の感覚が鈍い方は、自己判断で替えず医療機関に相談を。
足のトレーニング — 動きを取り戻す3ステップ
靴を選べたら自分の生活の中で使っていっていただきたいんですが、最初は靴の真ん中が柔らかいものをはいたとしても、僕たちが今まで培ってきた歩く癖、足の使い方の癖は、柔らかい靴をはくだけでは治りません。
何をしなければいけないかというと、足の可動性を取り戻していってあげることが必要です。それをするためのトレーニングをご紹介していきたいと思います。
⚠️ 足を強くひねる動きです。痛みが出る手前で止めてください。関節リウマチや足の骨折歴がある方、妊娠中の方は無理をせず、力を弱めて行いましょう。
① 足の真ん中をぞうきん絞り(30回)
まず最初に靴下を脱いでもらって、足を抱えます。

足と同じ側の手で足の真ん中を持って、反対の手でつま先側、足の甲あたりをはさむようにして持ちます。

ここでぞうきんを絞るようにして動かしていきます。これを30回くらい行なっていきます。
こうやっていく中で、少し手をずらしながら動かす場所を変えてみたりしてください。ちょっと前の方を前後させてみたり、下側から持って動かしてもらっても大丈夫です。

② かかとも同じように動かす
こんな感じで動きを作っていったら、今度はかかとをもって、同じようにぞうきん絞りのようにして動かしていきます。

僕の足を見てもらうとわかるように、足はこのくらい可動性があるものなんです。
だいぶ動くようになってきたな、動きが変わったなと思った方は、少しかかとを回してみてください。今持っているかかとの骨ですが、結構いろんな方向に動けます。
③ 足の指と手の指を絡めて足首を回す(30回)
ここまで出来たら、今度は足の指と手の指を絡ませるようにして持って、この状態で足首を回していきます。

足首を回していくんですが、ただぐるぐる回すのではなく、ちょっと足先にひねりを加えながら回していきます。だいたいこれも30回くらいやっていきます。
これで終わりなんですが、今この状態で立ってみてください。
なぜ立ちやすくなるのか — ほぐれたからではない
今やった足のほうが体重が乗りやすかったり、うまく立てているという、そんな感覚を感じられるのではないかと思います。
なんでそんな感覚になるかというと、多くの人は「筋肉がほぐれたから、足が柔らかくなったから立ちやすくなった」という説明をするんですけれども、僕が教えている神経科学の視点からするとそうではありません。
なぜそうなるかというと、足にある神経、機械受容器というんですけれども、それがちゃんと働くようになって、地面の感覚、重心の乗り方をちゃんと感じられるようになったから。だから足が楽に立てるようになったということになります。これが本来あるべき体の感覚なんですね。
こうやって作った足の状態で毎日歩いていたら、すごく楽だと思いませんか?これが皆さんの当たり前になっていってほしいんですけれども、なぜこの神経が働かなくなっていってしまうか。そこに靴が大きな影響を与えているということになります。
良い靴を選ぶことと、ちゃんと足の動きを取り戻していくことを同時に行う。それをすることによって、皆さんは動きのいい体、楽に動ける体を手に入れることができますので、ぜひ挑戦してみてください。今日も見てくださって、どうもありがとうございました。
まとめ
- 足の骨は片足28個、左右で56個。その間すべてに関節がある=それだけ動くべき場所
- ソールの硬い靴は足の動きを封じ、地面の感覚(インプット)を奪う
- 脳の仕事はインプット・解釈・アウトプットの3つだけ。入力が減れば出力(動き・バランス)が落ちる
- その結果が腰痛・足の疲れ・むくみ・O脚・外反母趾
- 靴の選び方は売り場で真ん中から折り曲げてみる。土踏まずが曲がるか、左右にひねれるかを確認
- 靴を替えるだけでは癖は治らない。足の真ん中のぞうきん絞り30回 → かかと → 指を絡めて足首回し30回
- 立ちやすくなるのは「ほぐれたから」ではなく機械受容器が働き出したから
- ⚠️ 硬い靴からの急な切り替えは足底を痛める。少しずつ慣らす
