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2017.05.11

  • 身体能力を高める

体幹は鍛えちゃダメ!?本当に機能的なコアの作り方

体幹は鍛えちゃダメ!?本当に機能的なコアの作り方

今日は、最近頻繁に耳にするコア(体幹)についてEyal Lederman博士の学術記事から、考えていきたいと思います。

突然ですが!皆さんが体幹をトレーニングする目的ってなんですか??

恐らくほとんどの方が

「腹筋や背筋を鍛えて身体の軸を安定させたい!」
若しくは「腰痛を改善するため」等と答えると思います。

正しい考え方を知る事で、より効果的に目的を達成する事が出来ます。

体幹は鍛えちゃダメ!?本当に機能的なコアの作り方

まずは、 EMG(筋電図)を使って体幹の筋肉の活動量を調査したEyal Lederman博士(オステオパシードクター・理学療法PH.D)の学術記事をご覧ください。

The Myth of Core Stability
By Professor Eyal Lederman

(一部抜粋)
To what force level do the trunk muscles need to co-contract in order to stabilise the spine? It seems that the answer is – not very much. During standing and walking the trunk muscles are minimally activated [42].
In standing the deep erector spinal, psoas and quadratus lumborum are virtually silent! In some subjects there is no detectable EMG activity in these muscles.

脊椎を安定させるために体幹の筋肉はどれ位の力で主動拮抗同時収縮をする必要があるのか?その答えは「それほど必要ではない」である。立位、歩行時は最小限しか使われない。立位において脊柱起立筋、大腰筋、腰方形筋はほとんど使われていない。ある被検者に至っては、これらの筋活動をEMGで検出する事すら出来なかった。

During walking rectus abdominis has a average activity of 2% maximal voluntary contraction (MVC) and external oblique 5% MVC [43]. During standing“active” stabilisation is achieved by very low levels of co-contraction of trunk flexors and extensor,estimated at less than 1% MVC rising up to 3% MVC when a 32 Kg weight is added to the torso.

歩いている状態では、腹直筋が平均2パーセント、外腹斜筋では5%の最大随意収縮(意図的な筋肉の収縮)が見られた。

立位で、意図的な安定を獲得するのにも、ほんの少しの主動拮抗同時収縮で充分である。

32キロの負荷が体幹に加わった時、体幹の安定に必要な、主動筋 拮抗筋の同時最大随意収縮は3から1%以下。

With a back injury it is estimated to raise these values by only 2.5% MVC for the unloaded and loaded models [44]. During bending and lifting a weight of about 15 kg co-contraction increases by only 1.5% MVC [45].
These low levels of activation raise the question of why strength exercises are prescribed when such low levels of co-contraction forces are needed for functional movement. Such low co-contraction levels suggest the strength losses are unlikely ever to be an issue for spinal stabilisation. A person would have to loose
substantial trunk muscle mass before it will destabilise the spine!

背中の怪我している人であっても、負荷の有る無しに関わらず、必要な随意収縮は2.5%上昇するのみ。

15キロの重りを体幹の屈伸で持ち上げる動作に至っては1.5%のみ上昇。

機能的に動く為に、体幹の同時収縮がこの程度しか使われていない事は、体幹の筋力が脊柱の安定の問題とはなり得ないことを示唆している。

体幹の安定を失うためには、相当な量の筋肉を失う必要がある。

Doubts have been also raised concerning the effectiveness of many of CS exercise in helping to increase the strength of core muscles. It has been shown that during CS exercise, the maximal voluntary contraction
(MVC) of the “core muscles” is well below the level required for muscle hypertrophy and is therefore unlikely to provide strength gains [54-56]. Furthermore, in a study of fatigue in CLBP, four weeks of stabilisation exercise failed to show any significant improvement in muscle endurance [57]. A recent study
has demonstrated that as much as 70% MVC is needed to promote strength gains in abdominal muscle [58].
It is unlikely that during CS exercise abdominal muscle would reach this force level [59].

多くの体幹トレーニングが体幹の筋力を上げる事に効果的かどうかも疑わしい。
最近の研究では、腹筋の筋力を上げるためには、最大筋力の70%で随意収縮する必要があると分かっている。

トレーニングでこのレベルに到達する事はほぼ不可能

体幹とは筋肉の強さではない

……….この様に、そもそも体幹の筋肉はほとんど肥大しません。
また、機能的で安定した動きには、考えられているほど体幹の力が必要ではない事もわかります。

この事を考えると、体幹トレーニングは筋肉を鍛える為に行う物ではない事が分かります。

必要なのは、体幹の様々なポジションで筋力発揮の仕方を覚える事です。

筋力は、筋肉単位ではなく可動域単位で決まります。腕を伸ばしきった状態と、丁度良く曲がった状態での力の入り易さは全く違いますよね?

背骨の場合、更に可動域は広がります。腰椎、胸椎、前後左右、左右捻り、可動域をフルに使う事が体幹トレーニングのポイントです。

また、腰痛の原因が「体幹の筋肉の弱さ」と言うのは非常に疑わしい話です。

身体の軸とは?

体幹トレーニングについてお話しましたが、体の軸を考える上では更に大切なことがあります。

身体の動きの90パーセントは、無意識によってコントロールされている事をご存知でしょうか。その為、スポーツの中で必要な軸の安定というのは反射的に生み出されるべきなのです。

例えば、三半規管耳石器(水平、上下移動を感知)は脊柱の最深層のインナーマッスルと(横突棘筋)連携し、反射によって身体の安定を保っています。

しかし、非常に繊細な器官なので、ちょっとした頭のケガなどで傷害される事が多くあります。

事実、「アスリートを含めた80パーセントの人は三半規管、耳石器官に、幾らかの不調を抱えている」と言われています。

慢性腰痛や、下半身の筋肉のアンバランスなどは、三半規管卵形嚢(上下の動きを感知)を最初に疑わなければいけません。

また、足の骨や股関節の可動性も大切です。

足の骨は、下肢の筋肉と神経を共有しています。
足にある小さな骨の関節間の動きを良くすることで、脚の筋肉には自然と必要な力が入るようになります。

以下参照↓

関節運動反射とは?

また、記事を読んでいただければ解るように、関節は、動きを良くすることで自然と力が入りやすくなります。

可動性を同時に考えることで、スポーツや日常の自然な動きの中で、必要な時に必要な筋肉に力が入る身体を作ることができます。

以上を踏まえ、最初のステップとしてオススメなのが以下のトレーニングです。

腰痛にも効果的なので是非チャレンジしてみて下さい。
 

股関節のモビリティトレーニング

足のモビリティトレーニング

最後に

いかがでしたか?

僕も、かつては熱心な体幹トレーニング支持者でした。

しかし、効果を得ることができたのは最初だけで、後に全身に不調を抱える事となりました。

ですので、今回ご紹介した情報は、僕が本当にお伝えしたかった情報の一つです。紹介した各トレーニングの詳細は今後の記事で紹介していこうと思います。

ご意見、ご感想、また個人的なご相談も受け付けております。

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この記事をかいた人

宮崎 ほくと

宮崎 ほくと

〜馬とはカラダで会話する〜究極の【人馬一体】を目指す現役JRA騎手。日本で様々なトレーニング・整体・ボディーワークを経験。自ら渡米し最新の脳神経学に基づくトレーニング理論を学ぶ。

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