2017.05.13
- 脳と身体の仕組み
- 身体能力を高める
可動域が広がれば筋力も上がる!?関節運動反射とは。
(この記事は2019年4月5日に更新されました。)
動きの良い関節は、強い筋肉をつくる??
今日は、
「関節の可動性」と「筋力」
あまり一緒に語られることのない、このふたつの関係についてお話ししたいと思います。
トレーニングやエクササイズで最大の効果を得たいと思っているあなた。是非ご覧下さい。
この記事の内容
可動域が広がれば筋力も上がる!?関節運動反射とは
関節運動反射??
1956年 アメリカピッツバーグ大学医学部の研究員により、関節運動反射(ArthroKinetlc reflex) の理論が提唱されました。
その内容とは『関節の動きそのものが、関連する筋肉を反射的に活性化、又は抑制している』という事でした。
反射的に活性?抑制?
つまりどういう事かと言うと。
「可動性の良い関節は、筋力をアップする」と言うことなのです。
神経のインプットとアウトプット
人間の身体に張り巡らされている神経には大きく分けて〈インプット〉と〈アウトプット〉の二種類があります。
〈インプット〉とは触られたり、身体が今どんな状態にあるのかを感じる神経のこと。(感覚神経)
〈アウトプット〉は筋肉に指令を伝える神経のことを指します。(運動神経)
正確に身体を動かすため、アウトプットを作るためには、正確なインプットが欠かせません。
しかし、関節の動きが悪くなると、神経が阻害され、アウトプットに必要な情報が不足します。
その結果、脳は全身の筋力発揮にリミットをかけるのです。
先が見えない暗闇の中を全力でダッシュできないですよね?
身体も同じです。分からないものに対しては全力を出してケガなどしない様に、自らブレーキをかけてしまいます。
トレーニングで筋力が下がる??
これをトレーニングに当てはめてみると、面白いことがわかります。
例えば、ウェイトトレーニング。
歯を食いしばって、全身「力みながら」持ち上げる事で無意識に関節を圧迫し、この反射を起こしています。
また、多くのトレーニングで決まりきった可動域しか動かしません。そのようなトレーニングでは、筋肉は一方向に「こわ張り」を作り、関節の動きを悪くします。
バランスボールなど不安定な物の上で耐えるようなトレーニングも実は同じデメリットがあります。動かないように耐える事で、関節にこわばりを作ることをトレーニングしている可能性があります。
(バランス感覚は、前庭器官のトレーニングが効果的)
この様に、せっかくトレーニングをしても、プラスマイナスゼロの効果では本末転倒ですよね。
簡単に筋力を上げる方法
動きの悪い関節を減らしていくことで、筋力を上げる事ができます。
ポイントは、自分の力で関節を多くの方向へ動かせるようにする事です。
多くの関節は、僕たちが思っている以上に様々な動きが可能です。
股関節は内捻り、外捻りを加えた状態で360度動けます。
同じように肩関節を全方向へ動かした事はありますか?
肩甲骨はスムーズに動くでしょうか?
胸椎と腰椎、頸椎を分けて動かせますか?
手や足の細かい骨の動かし方を知ってますか?
この様に、関節の可動性をひとつひとつ見ていくと筋力アップに物凄いポテンシャルを秘めている事が分かります。
沢山の可動域を動かしてあげる事で、関節の動きは総体的に良くなります。関節の動きがよくなり、脳が身体への信頼感を増すと、自然に筋出力も上がります。
身体への気づき=動きへの気づき。
以上を踏まえ僕がオススメしたいのは「筋トレをする前にモビリティをトレーニングする」という事です。
全身のあらゆる関節のあらゆる可動域を自分の体の重さで動かしていく事がスタートラインとしては最適です。
具体的なエクササイズ方法は「ジョイントモビリティドリル」と言う名前でブログで順次紹介していきます。
また、こんな考え方もできます。
トレーニングをしようと思ったら、自分に新しい動きを気付かせてくれるエクササイズを選びましょう!
ヨガやピラティス、エアロビクス、ダンスなど。自分の中に新しい動きを発見出来たとき、身体は自然に強くなります!
しなやかな動き(可動性のある関節)は強い筋肉をも作るというお話でした。
よかったらシェアしてね!