2017.07.30
- 脳と身体の仕組み
- 身体能力を高める
ストレッチは逆効果!脳から体を柔らかくする方法とは
(この記事は2018年5月28日に更新されました。)
体育の授業でも教わるように、私たちは当たり前のように柔軟な体=ストレッチと信じています。
しかし、これだけ学校教育から教えられているにも関わらず、ストレッチで柔軟な体を手に入れている人が少ないのは何故でしょうか?
今日は、なぜストレッチで思うような効果を得られないのか。そして、変わりに何をすればよいのか、お話ししたいと思います。
この記事の内容
ストレッチは逆効果?脳と可動域
ストレッチのデメリット
まずは、一般的に行われているストレッチについて考えてみたいと思います。
小学校でストレッチと教わる物は正式にはスタティックストレッチと言います。伸長反射をおこさないように、ゆっくり時間をかけて伸ばしていくのがこのストレッチになります。
参考記事: 伸張反射とは?
それ以外の方法としてはPNFと呼ばれるテクニックがあります。
代表的なものとして、
力を入れた後にリラックスする方法。
反対側の筋肉(拮抗筋)を収縮させる方法があります。
参考記事: PNFとは
このように、ストレッチにも様々な方法があります。
しかし、これらの方法を使っても効果を持続するのは難しいのではないでしょうか?
頑張った翌日、更に硬くなっていたりしませんか?
なぜなら、これらの方法には落とし穴があるからです。
関連文献: 運動前のストレッチングがパフォーマンスに及ぼす影響
身体が自らを守る仕組み
僕たちの身体は、予測できない物に対して、自らを守る仕組みが働きます。そして、可動域を制限します。
ストレッチの場合、身体にとって「予測できない物」とは、伸ばした先で自らのコントロールを失う事です。
可動域には2種類あります。
ひとつは、自分の力で動かせる可動域。
ふたつめは、外からの力で動く可動域。
このふたつのギャップが大きければ大きいほど、身体は自らをコントロール出来なくなります。
そして、スポーツで起こるほとんどのケガは、このコントロールできない可動域で起こります。
ご紹介したような「ストレッチ」でしていることは、ギャップを広げることに他なりません。
柔らかくなる→コントロールできない可動域が広がる。
そのため一瞬柔らかくなっても、身体には定着しにくいのです。
内的集中と、外的集中
ストレッチのもう一つのデメリットは、筋肉に意識が向くことです。
脳は、意識を向けた筋肉を収縮する性質があります。ストレッチをしているとき、嫌でも筋肉が伸びている感覚に意識が向きます。
つまり、無意識に全く逆の反応を引き起こしているのです。
脳は「筋肉がどれだけストレッチするか」なんて興味ありません。
脳は、目的を達成するために体を伸ばす必要があるとき、余計な緊張を緩めてくれます。
例えば目標物に手や足を届かせようとするとき等。
以上の2つを考えると「外側の物に集中して、自分の力で可動域を広げていく事」が体を柔らかくする為には必要とわかります。
これから、その法則を応用した可動域を広げるデモンストレーションをご紹介します。
開脚を柔らかくするエクササイズ
例として開脚を柔らかくしたいとします。
柔らかさを確認
目標物を決める。
自分の斜め後ろ、足が届くギリギリのところに目標物を置きます。
ターゲットは壁など何でも良いです。自分を支えるために何かに掴まって下さい。股関節は外捻りをしておきます。
足で目標物にタッチ!
ターゲットに脚を届かせる様に股関節から動かします。 この時に勢いをつけても構いません。
10回繰り返す
徐々にターゲットを遠くして行きます。
毎回、眼で確認します。
目標物の場所を変える
今度はターゲットを上に置きます
以上のエクササイズを反対の足でも行います!
開脚をチェック!
2019年2月8日、もっと分かりやすい方法をアップしました!併せてご覧下さい↓
関連記事: 開脚を3分で広げる方法
まとめ
いかがでしたか?
この様に脳は、自分の力で動かせる範囲と共に可動域を広げて行きます。
工夫次第で様々な箇所で応用が可能です。
ポイントは、自分が柔らかくしたい可動域にターゲットを置き、柔らかくしたい関節を使ってそこに届かせるように意識を使う事。
そして、ターゲットを徐々に遠くしていく事です。
以上が僕がオススメする可動域を広げる為の方法です。
しかし可動域の問題は、ほとんどの場合その部分だけが問題ではありません。
この方法を使っても素直に柔らかくならないようであれば、あなたの硬さに影響している別の原因を探す事をオススメします。
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