股関節の可動性『ジョイントモビリティトレーニング』

開脚しても、前屈しても、なぜか腰やひざの不調は消えない。股関節が硬いのが原因だと言われて、ストレッチばかり続けていませんか?

こんにちは、宮崎ほくとです。神経科学に基づいたトレーニングの資格を持つトレーナーとして、体を根本から変える方法をお伝えしています。

結論から言うと、健康で機能的な股関節に必要なのは柔らかさではなく、「全ての可動域を自分の力で動かせること」です。狙いは筋肉を伸ばすことではなく、関節にある神経を刺激することだからです。この記事では、壁の横に立ってできるジョイントモビリティトレーニングを紹介します。

⚠️ 変形性股関節症や臼蓋形成不全と言われている方、人工関節の方、股関節の手術歴がある方、妊娠中の方は、行う前に主治医に相談してください。また、体重をかけると鼠径部が痛む、脚を引きずる、じっとしていても痛む、発熱を伴う場合は、まず整形外科を受診してください。エクササイズ中に痛みが出たら中止を。鼠径部を触るときは強く押し込まないでください。

(この記事は2017年7月31日に更新されました。)

身体の中で最も広い可動域を持つ関節。
「大腰筋」「腸腰筋」とも関係の深い関節。

それが、股関節です。

可動の悪さは、腰痛やO脚、X脚、膝の脱臼など様々な不調の原因となります。
逆に動きの良い股関節は、強い体幹をも作ります。

今日は、そんな股関節の可動を良くするエクササイズをご紹介します。

股関節の可動性『ジョイントモビリティトレーニング』

股関節の可動域

股関節と聞いてイメージするのは派手なスプリットや前後開脚、膝に顔がつく柔らかさでしょう。

しかし、健康で機能的な股関節に大切なのは、「全ての可動域を自分の力で動かせる事」なのです。

多くのエクササイズでは、前、後ろ、横など特定の方向にしか動かしません。

実際には水平方向に360度、内捻り、外捻りを加えた状態で動ける必要があります。
先ずは、股関節の構造を見てみましょう。

股関節ってどんな関節?

身体はその形状をイメージできると、より動かしやすくなります。

ボールとソケットのような形をした股関節

多くの人が股関節と勘違いしている「腰骨の下の出っ張り」は、大転子と呼ばれる部分です。

股関節は、そこから少し内側に入ったところにあります。
ボールとソケットの様な形が、あらゆる方向への動きを可能にしています。
皮膚の上から触るのは少し不快ですが、鼠径部のラインの中心あたりです。

股関節は大転子より少し内側、鼠径部のラインの中心あたり

腰椎から伸びる大腰筋は大腿骨の内側の出っ張りに付着します。(小転子)
その為、動きの良い股関節は、強い大腰筋を作ります。

参照→関節運動反射とは?

股関節のモビリティトレーニング

これから、行うエクササイズはストレッチとは違います。一般的なストレッチは身体を硬くし、ケガのリスクを高める事になりがちです。

ここでの目的は、関節に存在する神経を刺激することです。

1.真っ直ぐ高い姿勢を保ち、壁などの身体を支えられる物の横に立ちます。

まっすぐ高い姿勢を保ち、体を支えられる物の横に立つ

2.片足を前に出します。大転子に手を当て、その動きを感じながらエクササイズしても良いでしょう。

片足を前に出し、大転子に手を当てて動きを感じる

内と外に股関節から捻ってみて、苦手なポジションでキープしたまま全てのエクササイズを行います。(難しい場合は真っ直ぐのままでも構いません)

股関節から内に捻ったポジション
股関節から外に捻ったポジション

3.身体の前で、股関節から円を描きます。1周5〜10秒かけて3回繰り返します。

(かかとを押し出すように股関節から動くのがコツです。)

反対周りも同じ様に行います。

体の前で股関節から円を描く

4.身体の前に脚を持ってきて、そこで同じ様に円を描きます。

出来るだけキレイな円を描いて下さい。

体の前に脚を持ってきて、そこで同じように円を描く

5.次は身体の真横で円を描きます。

体の真横で円を描く

6.身体の真後ろで行います。

骨盤が前傾しすぎないように気をつけます。

体の真後ろで円を描く。骨盤が前傾しすぎないように気をつける

7.全ての方向をつなげて、出来るだけ大きく、全ての可動域を通る様に3回ずつ円を描きます。

全ての方向をつなげて、大きく全可動域を通る円を描く

同じことを反対の脚でも行います。

最初は寝た状態で行っても構いません。

ポイントは

・呼吸をしながら行うこと。
・骨盤で動かさない事、
・真っ直ぐの姿勢を保つ事
・出来るだけゆっくり行う事

です。

身体の変化をチェック

いかがでしたか?

大切なことは、自分が普段動かさない可動域を自分の力で動かすことです。

単純な様で、かなりの集中力と細かい筋肉の力を使います。
そのため、あなたが思っている以上に疲労を感じるかもしれません。

歩いてみて身体の変化を感じて下さい。

最後にもう1つ。股関節は、対角線の肩関節と神経科学的に繋がっています。
肩の動きをエクササイズの前後でチェックしてみて下さい。
痛みのある肩の対角線の股関節を動かす事で、痛みがとれる事もあります。
是非、参考にして見て下さい。

まとめ

  • 股関節は体の中で最も広い可動域を持つ関節。大腰筋・腸腰筋とも関係が深い
  • 大事なのは開脚の柔らかさではなく全可動域を自分の力で動かせること
  • 多くの人が股関節だと思っている出っ張りは大転子。股関節はもう少し内側、鼠径部のラインの中心あたり
  • これはストレッチではない。目的は関節にある神経を刺激すること
  • 手順は前・前方・真横・真後ろで円を描き、最後に全てをつなげて大きな円を3回ずつ
  • ポイントは呼吸を止めない・骨盤で動かさない・姿勢をまっすぐ保つ・できるだけゆっくり
  • 苦手な捻り(内 or 外)でキープしたまま行うと効果的。最初は寝た状態でもOK
  • 股関節は対角線の肩関節と神経科学的につながっている。肩の痛みが対角の股関節で取れることもある

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「股関節の可動性『ジョイントモビリティトレーニング』」への0件のフィードバック

  1. ikemoto takashi

    股関節は、対角線の肩関節と神経学的に繋がっています。
    を詳しく教えてください

    1. コメントありがとうございます。
      歩くときに、左右の手と足が意識せずとも同時に動きますよね?これをInterneuron couplingと言います。

      つまり、股関節を動かしてるとき、反対の肩関節の周りの筋肉にも活性と抑制が起こっています。
      これを応用すると、対応する関節を特定の方向に動かすことで、対角線の関節の痛みや主動拮抗筋バランスを整える事が出来ます!

  2. 飯塚 育雄

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