同じ体、同じ筋肉なのに、調子のいい日と力が入らない日がある。その差が「どこを見ていたか」で決まっていたとしたら、驚きませんか?
こんにちは、宮崎ほくとです。神経科学に基づいたトレーニングの資格を持つトレーナーとして、体を根本から変える方法をお伝えしています。
結論から言うと、眼を向けた方向の筋肉は力が入りやすく、反対側は緩みやすくなります。人間は情報の80%を眼に頼っていて、「これから動く方向」に力を出しやすいようプログラムされているからです。この記事では、その仕組みと、腹筋・前屈・握力・懸垂ですぐ使える方法を紹介します。
⚠️ 上体反らしや懸垂は、腰や首に痛みがある方、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などで治療中の方は無理に行わないでください。首を強く反らすとめまいが出ることがあります。痛みやしびれが出たらその場で中止を。
(この記事は、2017年8月16日に更新されました。)
人間は、情報の80%を眼に頼っています。故に身体の動きも視覚情報によって変わります。
今日は、その一つをご自身の身体で体感して頂きます。
知っていると、瞬時に筋力を上げることも出来る便利な方法です!
見る方向だけで筋力が上がる!?眼と身体の反射
反射を利用する?
人間の体は、「これから動こうとする方向」に力を発揮し易くするようにプログラミングされています。
例えば、止まっている状態から走り出す時。
まず、進行方向を眼で確認して、
それから、身体が付いてくるように走り出すのが自然な人間の動きですよね!
この時、眼の筋肉の動きから、次の動きに必要な筋肉に「力が入りやすく」
反対の筋肉を「緩みやすく」する反射が働きます。
つまり、眼の動きは、特定の筋肉の緊張と弛緩につながっているのです。
眼の動きと筋肉の反射
では、具体的に見ている方向によって、どのような反応が起こるのかを解説したいと思います。
「ややこしい事は良いから、早く教えて!」という方はこちら →実際に使う方法
眼で見る方向によって、身体は以下の方向に筋力を発揮し易くなります。
1. 右を見た場合

・全身=右回旋
・右体側=伸展
・左体側=屈曲

2. 左を見た場合

・全身=左回旋
・右体側=屈曲
・左体側=伸展
3. 上を見た場合

・全身=伸展
4. 下を見た場合

・全身=屈曲
解剖学の方向の解説
ここで、解剖学用語をすごく簡単に説明します。
まず、手のひらを前に向けて立って下さい

ここから、前への動きが屈曲です。


後ろへの動きが伸展です。


例外は膝ですね。
曲げるのが屈曲、伸ばすのが伸展です。
軸を中心に右に回転するのが、右回旋。

軸を中心に左に回転するのが左回旋です。

もちろんこれらは、単純に動きを解説する為の用語です。
実際の動きはもっと複合的な物になります。
実際に使う方法
では、実際にこの反射を「筋力テスト」で使う方法をご紹介したいと思います。
腹筋をアップしたい時
眼で下を見ながら身体を起こします。

上体反らしの結果を良くする
上を見ながら身体を反らします。

前屈を柔らかくする
下を見ながら、身体を倒します。
(伸筋を緩みやすくしてくれます)

握力をアップしたい時
下を見ながら、握ります。

懸垂を楽にしたい時
真ん中まで上を見て、途中から下を見ます。


その他便利な使い方
いかがでしたか?
このように。単純な動きのテストでは面白い位に効果が出ます。また、お気づきの通り可動域を増やしたい時にも使えます。
「眼線をまっすぐに向けた状態」や、「反対方向に向けた状態」と比べてみると、より効果が実感できるはずです。
是非試してみて下さい。
さて、プロフェッショナルなあなたにはもう1つ便利な使い方があります。
これらの眼の動きは上手に使うと、クライアントに「させたい動き」を促す事ができます。例えばもう少し顎を引かせたいな、と思った時に目線を下げるように指示するなど。アイデア次第で様々な使い方ができます。
また、この反射は人間の身体にとって「無くてはならない物」です。
もし、うまく機能していないようであれば、様々な不調の原因になっている可能性があります。
もちろん、リハビリで改善する事が可能です。その時は是非ご相談下さい。
まとめ
- 人間は情報の80%を眼に頼っている。だから見る方向で体の出力が変わる
- 眼を向けた方向は力が入りやすく、反対の筋肉は緩みやすくなる
- 右を見る→全身は右回旋・右体側が伸展・左体側が屈曲。左を見るはその逆
- 上を見る→全身が伸展。下を見る→全身が屈曲
- 腹筋・握力は下を見ながら。上体反らしは上を見ながら。前屈は下を見ながら
- 懸垂は真ん中まで上を見て、途中から下を見る
- 筋力だけでなく可動域を広げたいときにも使える。目線をまっすぐ/反対に向けた場合と比べると差がわかる
- 指導する側は、目線の指示で「させたい動き」を促せる(顎を引かせたいなら目線を下げる、など)
