2017.06.29
- 脳と身体の仕組み
見る方向だけで筋力があがる!?眼と身体の反射

(この記事は、2017年8月16日に更新されました。)
人間は、情報の80%を眼に頼っています。故に身体の動きも視覚情報によって変わります。
今日は、その一つをご自身の身体で体感して頂きます。
知っていると、瞬時に筋力を上げることも出来る便利な方法です!
この記事の内容
見る方向だけで筋力が上がる!?眼と身体の反射
反射を利用する?
人間の体は、「これから動こうとする方向」に力を発揮し易くするようにプログラミングされています。
例えば、止まっている状態から走り出す時。
まず、進行方向を眼で確認して、
それから、身体が付いてくるように走り出すのが自然な人間の動きですよね!
この時、眼の筋肉の動きから、次の動きに必要な筋肉に「力が入りやすく」
反対の筋肉を「緩みやすく」する反射が働きます。
つまり、眼の動きは、特定の筋肉の緊張と弛緩につながっているのです。
眼の動きと筋肉の反射
では、具体的に見ている方向によって、どのような反応が起こるのかを解説したいと思います。
「ややこしい事は良いから、早く教えて!」という方はこちら。→実際に使う方法)
眼で見る方向によって、身体は以下の方向に筋力を発揮し易くなります。
1. 右を見た場合

・全身=右回旋
・右体側=伸展
・左体側=屈曲

2. 左を見た場合

・全身=左回旋
・右体側=屈曲
・左体側=伸展
3. 上を見た場合

・全身=伸展
4. 下を見た場合

・全身=屈曲
解剖学の方向の解説
ここで、解剖学用語をすごく簡単に説明します。
まず、手のひらを前に向けて立って下さい

ここから、前への動きが屈曲です。


後ろへの動きが伸展です。


例外は膝ですね。
曲げるのが屈曲、伸ばすのが伸展です。
軸を中心に右に回転するのが、右回旋。

軸を中心に左に回転するのが左回旋です。

もちろんこれらは、単純に動きを解説する為の用語です。
実際の動きはもっと複合的な物になります。
実際に使う方法
では、実際にこの反射を「筋力テスト」で使う方法をご紹介したいと思います。
腹筋をアップしたい時
眼で下を見ながら身体を起こします。

上体反らしの結果を良くする
上を見ながら身体を反らします。

前屈を柔らかくする
下を見ながら、身体を倒します。
(伸筋を緩みやすくしてくれます)

握力をアップしたい時
下を見ながら、握ります。

懸垂を楽にしたい時
真ん中まで上を見て、途中から下を見ます。


その他便利な使い方
いかがでしたか?
このように。単純な動きのテストでは面白い位に効果が出ます。また、お気づきの通り可動域を増やしたい時にも使えます。
「眼線をまっすぐに向けた状態」や、「反対方向に向けた状態」と比べてみると、より効果が実感できるはずです。
是非試してみて下さい。
さて、プロフェッショナルなあなたにはもう1つ便利な使い方があります。
これらの眼の動きは上手に使うと、クライアントに「させたい動き」を促す事ができます。例えばもう少し顎を引かせたいな、と思った時に目線を下げるように指示するなど。アイデア次第で様々な使い方ができます。
また、この反射は人間の身体にとって「無くてはならない物」です。
もし、うまく機能していないようであれば、様々な不調の原因になっている可能性があります。
もちろん、リハビリで改善する事が可能です。その時は是非ご相談下さい。
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