歩くとすぐ疲れる。走ると太ももの前ばかり張る。レッグカールで裏ももを鍛えているのに、動きが変わった実感がない——ハムストリングは「鍛える」より先に、やることがあります。
こんにちは、宮崎ほくとです。神経科学に基づいたトレーニングの資格を持つトレーナーとして、体を根本から変える方法をお伝えしています。
結論からお伝えすると、ハムストリングは筋トレで太くする前に、「使い方」を脳に学習させる必要があります。膝を曲げるだけでは、この筋肉の一部しか使えていません。膝を曲げる+股関節から後ろへ引く+下肢を内外にひねる——この3つを組み合わせて最大限に収縮させると、たった10秒でスイッチが入ります。
ハムストリングは「推進力を生む筋肉」
今回は裏ももの筋肉、ハムストリングの使い方を改善して、皆さんの動きを圧倒的に楽にする、そんな方法をご紹介していきたいと思います。
ハムストリングは僕たちの筋肉の中で、推進力を生みだす筋肉といわれています。歩く動作、走る動作、階段の昇り降り。足を使う動作すべて、この筋肉がちゃんと働いてくれていることによって、皆さんの身体の動きは圧倒的に変わります。
ですが、神経科学を学んだ僕の視点からすると、この筋肉は働きが悪くなりやすい筋肉でもあるんです。そして同側脳幹が働きを抑制できずに必要以上に硬くなっていることなど、いろいろな理由が挙げられるんですけれども、今日は皆さんにハムストリングの使い方を脳にもう一度学習させていく、そんな方法をご紹介していきたいと思います。
ここで簡単に僕の自己紹介です。僕はアメリカで機能神経科学がベースになったリハビリ、トレーニングを勉強してきた現役のアスリート、競馬の騎手です。背骨骨折、脳挫傷、くも膜下出血。これらの後遺症を改善し、圧倒的に自分のパフォーマンスを高めてくれた神経科学の知識を、皆さんにもお伝えしていきたいと思っています。
筋トレで太くするのではなく、使い方を教える
まず最初に皆さんにお伝えしていきたいのは、ハムストリング、これは筋トレで鍛えていけばいいというものではないんです。
僕が伝えたいのは、筋トレでこれを太くしていく、大きくしていく方法とかそういうことではなく、ちゃんとこの筋肉を使うことを脳に学習させていこうということになります。
そうすることで、皆さんの身体はたった1回のトレーニングでも最大の効果を得ることができる。たった1回のトレーニングが皆さんのハムストリングのスイッチを入れることになって、圧倒的に日常生活の質を変えてくれることになるかもしれません。
そして慣れてしまえばたった10秒でできるこのテクニックを日常的に行なっていくことによって、皆さんの身体にとってハムストリングを使って動くということが当たり前になってきます。
ハムストリングスは3つの筋肉のグループ
まず最初に、このハムストリングスについて説明していきたいんですけれども。ハムストリングスは、大腿二頭筋と半腱様筋、半膜様筋の3つの筋肉から成り立っている筋肉のグループです。
そしてついている場所は坐骨結節といって、おしりを触っていただくとわかる、このでっぱり。そこから下に下がっていって、半腱様筋・半膜様筋はスネの内側についています。

そして大腿二頭筋は腓骨頭、つまり下肢の外側の骨の内側についていることになります。
ですから、これからハムストリングの使い方をやっていくんですけれども、やり方は2種類あります。一つは半腱様筋・半膜様筋(内側)にアプローチしていく方法、そしてもう一つは外側の腓骨頭についている大腿二頭筋(外側)をトレーニングしていく方法ということになります。
これから行なうトレーニングで重要なこと、そして他の誰もが紹介していないことというのは、ハムストリングスを最大限収縮させていくということになります。最大限収縮している感覚を脳に教えていってあげると、これが自分の身体の動き方に反映されてきます。
基本のトレーニング
⚠️ ハムストリングは特につりやすい筋肉です。強い張りを感じたらすぐに力を抜いてください。肉離れの既往がある方、坐骨神経痛でしびれがある方は無理をしないこと。片足立ちになるので、必ず壁や手すりにつかまって行ってください。
① 膝を最大限に曲げる
まず最初に、壁か何かにつかまってもらって、片方の足をあげます。

この状態で膝を最大限屈曲させていきます。そうすると、ももの裏側を触ってもらうと緊張してくる感覚がわかると思います。

ですがこの時にぷよぷよしている感じがあったとき——おしりの下から足の外側・内側に向かってついている筋肉、これがぷよぷよしていると、うまく使えていないということになります。
② 股関節から後ろに引く
ここでさらに、ハムストリングスの動きを足していきます。今、膝を曲げること。これはハムストリングスの一つの動きにしかすぎません。
ですから、一般的に膝を曲げ伸ばしする動きは確かにハムストリングスのトレーニングなんですけれども、これだけでは完全にハムストリングスを使っているとは言えません。
これから皆さんにやっていただきたいことは、足を曲げた状態から、足を後ろに引いてくるということになります。そこでもう一度ももの裏側を触ってもらうと、さっきよりも筋肉が硬くなっているのが感じられるかもしれません。
ここでも硬くなっていない方、まだぷよぷよしているという方。そんな方は一応確認してもらいたいのが、腰を反っていないかということ、後ろに行くときにおしりを後ろに引いていないかということです。

できるだけ高い姿勢を保って、反対側のかかとを踏んで、その状態で股関節から後ろに足を引いてくるということになります。
そしてもう1つ、まだ柔らかいという方は使えていないということですから、ここでさらに、先ほど言った大腿二頭筋、そして半腱様筋・半膜様筋の動きを足していきたいと思います。
外側(大腿二頭筋)のトレーニング
まず最初に大腿二頭筋。ここの動きを強調していくためにはどうすればいいかというと、ハムストリングスの動きで意外と知られていないのが、下肢を内旋・外旋することです。
ですから大腿二頭筋の場合には、足を後ろに引いて、足を外側に外旋してくる。そうすると腓骨頭が坐骨結節に近い状態になって、外側のハムストリングス、つまり大腿二頭筋が収縮しやすくなります。


この状態でもう一度しっかり膝を曲げて後ろに引いてくると、外側の筋肉に力が入りやすくなります。
ですけれども、多分最初にやる方は、これでもまだ力が入らなくてつかめないと思うんです。なので自分で指で触って刺激しながら、ここを硬くするということをトレーニングしていきます。
子供のころ、「見てよ俺の筋肉」とかやりましたよね。

あれをももでやるということなんです。今、僕はちょっとやっただけでもガッと軽くなったんですけれども、そうすると頑張ってトレーニングしなくても、それだけで筋肉にかなり感覚が出てきている状態になります。
内側(半腱様筋・半膜様筋)のトレーニング
次にやってもらいたいのは、内側、半腱様筋・半膜様筋にスイッチを入れていく方法になります。
この場合には今とは逆。膝を曲げて後ろに引いて、足を内側に向けます。

下肢の全体を内側にひねります。つま先が内側に向くような形にします。そこでもう一回ちゃんと膝を曲げて後ろに引いてくると、今度は内側、ハムストリングスの内側が硬くなるのが感じられると思います。
感じられないときは、練習しなければいけないということになります。おそらく、今までもたくさんハムストリングスのトレーニングをしてきたという方でも、この感覚をつかむのはなかなか難しいと思います。
今、僕なんかも1セットやっただけなんですけれども、これだけでもすでにハムストリングのスイッチが入った感じがあるわけです。初めてやる方なんかも、すごくスイッチが入ったなというのを感じられていると思います。
仕上げ — 伸ばした状態も脳に教える
最後になりましたけれども、もう一つ皆さんにやっていただきたいのは——筋肉というのは収縮した状態、そして最大限伸ばした状態も脳に学習させていく必要があります。
ですから今と全く逆の動き。なにかしら台の上に足を置いてもらって、膝を伸ばしてハムストリングのストレッチ。これもやっていただいて、伸ばした状態と収縮した状態、両方を脳に学習させていくということをやってみてください。

この状態で日常生活を過ごしていくことで、スポーツのパフォーマンスでも、日常の動作の動きの質にしても変わってくるということになります。
一度、皆さん歩いてみてほしいんです。そうすると、筋肉痛っぽい感じになっているのはもちろんそうなんですけれども、やったほうがちゃんと踏めている、ちゃんと足が動いているというのを実感していただけるはずです。
こんな感じで、もちろん反対側もやってほしいんですけれども。今日はハムストリングのスイッチを入れて、皆さんの身体の動きを圧倒的に変える方法としてご紹介してきました。
まとめ
- ハムストリングは推進力を生む筋肉。しかし働きが悪くなりやすい
- 必要なのは太くすることではなく、使い方を脳に学習させること
- ハムストリングスは大腿二頭筋(外側)+半腱様筋・半膜様筋(内側)の3つ。すべて坐骨結節から出る
- 膝を曲げるだけでは一部しか使えない。そこに股関節から後ろへ引くを足す
- ぷよぷよしているなら使えていない。腰を反らない・お尻を引かないのがコツ
- 外側を狙うなら足を外旋、内側を狙うなら足を内旋してから曲げて引く
- つかめないうちは指で触って、そこを硬くする練習から
- 仕上げに台に足を乗せてストレッチ。伸ばした状態も脳に教える
- ⚠️ つりやすい筋肉。壁につかまって、痛みや強い張りが出たらすぐ中止

ありがとうございます。
毎日楽しみにしています。