呼吸で肩甲骨の動きを変える方法

肩甲骨はがしもマッサージもストレッチも試したのに、肩の動きがいまいち変わらない。そんな行き詰まりを感じていませんか。

こんにちは、宮崎ほくとです。神経科学に基づいたトレーニングの資格を持つトレーナーとして、体を根本から変える方法をお伝えしています。

結論からお伝えすると、肩甲骨の動きを変える鍵は「呼吸」にあります。とくに前鋸筋の上側は働いていない方が多く、ここに呼吸で刺激を入れるだけで肩の動きは驚くほど軽くなります。今回はそのやり方を紹介します。

一般的に肩甲骨の動きを改善するには、肩甲骨はがしやマッサージ、ストレッチ、体操などいろいろあります。僕の動画「カラダマニアちゃんねる」でも紹介していますし、それらも重要です。しかし肩甲骨を動かす筋肉を考えたとき、呼吸がすごく重要な役割を果たしています。

今まで肩甲骨はがしなどをやってみたけれど動きがいまいち改善されない方、もっとスムーズに動かしたい方、もう一段階上のレベルに行きたいアスリートの方は、ぜひ試していただきたいと思います。

肩甲骨の動きを左右する筋肉「前鋸筋」

今日紹介していく筋肉は前鋸筋です。有名な筋肉なので、知っている方も多いと思います。

前鋸筋は上側と下側に分けられます。多くの場合、肋骨を広げる筋肉、つまり呼吸筋の吸気の筋肉として働きますが、上側の部分が働いていないことが多いのです。そこに呼吸を使って刺激を入れて、どれだけ肩・肩甲骨の動きが改善されるかを見ていきます。

まずは体の動きをチェックする

はじめにアセスメント、体の動きのチェックをしていきます。肩甲骨の動きだけを見ていくことは難しいので、肩の動きも併せてチェックしていきます。

親指を上にし、肘を伸ばして、前から腕を上げてみます。

親指を上にして肘を伸ばし、前から腕を上げて肩の動きをチェックする様子

同じように反対の手も行います。やってみると少し動きが悪い部分がわかりますので、そちら側を重点的にチェックしていきます。

同じように外側からも腕を上げます。この動きも全て肩甲骨が関わっています。後ろにも腕を引いてみたり、肩を回してみたりして、動きの悪いところがないかチェックしていきましょう。

腕を外側から上げたり後ろに引いたりして、肩甲骨の動きの左右差を確認する様子

僕の場合、今日は右側がうまく動いていないようなので、こちら側から行いたいと思います。

呼吸で前鋸筋を働かせるトレーニング

皆さんに知っていただきたいのは、呼吸の仕組みです。呼吸は、筋肉を使って胸郭を広げることで成り立っています。横隔膜が下がったり、胸郭の周りについている筋肉が胸郭を広げたりすることによって、肺が受動的に広げられて空気を吸い込む、という仕組みです。

そのため肺自体が広がるわけではなく、周りの筋肉が胸郭を広げるから空気が自然と入ってくることになります。その中でも前鋸筋という筋肉は、胸郭を横側と前方向に広げることに一役買っています。

①脇の下に手を入れて、広がりを確かめる

脇の下に手を入れて呼吸をしてもらいます。

脇の下に手を入れて、呼吸で胸郭が横に広がるかどうかを確かめる様子

僕は右側をやるので左手で脇の下を触ります。まず思い切り息を吸います。そして吐きます。触っている脇の下あたりがちゃんと横に広がっているかどうかを確かめてください。ここでうまく広がっていない方は、特に行うと良いです。

②前鋸筋を緊張させながら、もう一段階吸う

今度は、脇の下を触っていったあたりにちょうど筋肉があります。肋骨のちょうど真上あたりで、自分ではわかりにくいかもしれませんが、そこを少し緊張させるように息を吸ってみます。

いっぱい吸って、そこからさらにもう一段階広げます。脇の下で筋肉が硬くなることを少し感じたり、動きが少し大きくなったりしていれば、うまくできている証拠です。

③肩を前に出したポジションのまま吸う

何回かやったところで、今度はもう少し前鋸筋の働きを強めながら呼吸をしていきます。どうするかというと、肩を上げて前に出す動きに前鋸筋が関わっています。

肩を上げて前に出し、前鋸筋が働くポジションをつくる様子

肩甲骨が少し前に出るように、パンチする形です。

肩甲骨を前に出すようにパンチする形をつくり前鋸筋を働かせる様子

このポジションを保ったまま、もう一度指を脇の下に当てて思い切り息を吸っていきます。

肩を前に出したポジションを保ったまま脇の下に指を当てて息を吸うトレーニングの様子

多くの方に、胸のあたりがぐっと広がることを感じていただけたかと思います。

⚠️ 思い切り息を吸う動作を繰り返すと、めまいやふらつきが出ることがあります。立ちくらみを感じたらすぐに中止し、座って休んでください。回数を増やしすぎず、無理のない範囲で行いましょう。

もう一度チェックすると、肩が軽くなる

ここまでやった状態で、もう一度最初にやった腕の動きをチェックしていきます。

軽いです!!! 今は右側の動きが良く、最初に比べてだいぶ動きが改善されました。呼吸を使ったトレーニングで、前鋸筋の上部や肩の動きを改善することができます。

もちろん呼吸に関わる筋肉は他にもたくさんあり、それぞれをトレーニングしていくことが可能です。呼吸の筋肉は体幹の安定にも大きく関わっているので、肩甲骨の動きが良くなるだけではなく、体の安定もかなり良くなります。ぜひトレーニングを行ってみてください。

まとめ

肩甲骨まわりをいくらほぐしても変わらなかった方こそ、呼吸から入ると変化が出ます。脇の下に手を当てて、広がりを感じながら吸う。それだけで肩の動きは変わります。

  • 肩甲骨の動きには呼吸が大きく関わっている
  • 鍵になるのは前鋸筋、とくに上側。働いていない人が多い
  • 呼吸は筋肉が胸郭を広げ、肺が受動的に膨らむ仕組み
  • まず腕を上げてチェックし、動きの悪い側から行う
  • 脇の下を触り、横に広がるのを感じながら息を吸う
  • 肩を前に出したポジションを保ったまま吸うとさらに効く
  • 呼吸の筋肉は体幹の安定にも関わる
  • 思い切り吸う動作でふらついたら中止する

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