肩を痛めてから、腕が上がらない。放っておけば治ると思って1か月。マッサージにも行ってみたけれど、動かすたびにまだ痛む——僕自身がまさにその状態でした。
こんにちは、宮崎ほくとです。神経科学に基づいたトレーニングの資格を持つトレーナーとして、体を根本から変える方法をお伝えしています。
結論からお伝えすると、痛みは「組織の損傷」そのものではなく、脳がその動きをどう解釈するかで決まります。すでに治っているのに、腕を上げるだけの刺激に対して脳が痛みを作り続けていることがあるのです。この記事では、ゴムバンドで肩を関節に押し付けた状態で動かすことで、その解釈を書き換えるドリルをお伝えします。1か月放置した僕の肩の痛みは、これで消えました。
この記事を書いた理由 — お詫びから
この度は本当に申し訳ありませんでした。今回は皆さんに謝らなければいけないことがあるので、そちらをお伝えしていきたいと思います。
以前に僕は「【驚愕】10年続く野球肩の治し方は、股関節を動かすことだった。」という動画で、会津さんという方の野球肩を治しました。
その時に僕は調子に乗って一緒に野球を楽しんだところ、そしてあろうことか、普段野球などしないのに本気で遠投をしたところ、自分の肩を痛めてしまい、それをひた隠しにしていました。
ですが、それだけでは終わらず。偉そうに人に不調の改善の仕方、コンディションの作り方を教えながら、自分の肩の痛みを放置し続けました。
自分で見さえすれば簡単に取れる痛みにもかかわらず、めんどくさいからという理由でほおっておいたところ、つい先日とんでもないことをやらかしました。その動画がこちらになります。

この時、僕は一人で公園でトレーニングをしていました。そして見てわかるように、肩の痛みがあって腕が後ろに行かないにも関わらず、ブリッジをしようとして頭から転落。軽い脳震盪の症状を経験しました。
そしてそのあとしばらく、光がやたらまぶしかったり、軽く頭痛がしたり、典型的な脳震盪の症状が現れ、そしてこれは肩を治さなければいけないと、その時初めて決意しました。
余談 — 脳震盪について
⚠️ 頭を打った直後は、自分で判断せず必ず医療機関を受診してください。頭痛が強まる、繰り返し吐く、意識がぼんやりする、けいれん、手足の力が入らない、言葉が出にくい——こうした症状はすぐに救急受診が必要です。頭を打った当日は一人にならない、飲酒しない、運転しない。また、症状があるうちにスポーツへ復帰するとセカンドインパクト症候群という重篤な状態を招くことがあります。以下は著者の体験の記録であり、自己判断を勧めるものではありません。
余談にはなるのですが、脳震盪。頭を打った時に起こる問題として、打った箇所のダメージを修復するために脳全体が急激にエネルギーを消費して、低血糖の状態になることが挙げられます。
そうなることによって、めまいや頭痛、光への過敏、バランスの症状、そういった問題を起こすことがあります。そういった症状はだいたい5〜7日で消えるのですが、この症状が残り続ける場合が、多くの方で当てはまります。
脳震盪の症状を改善していくには、脳内の血流を改善していくこと、そしてダメージを受けた場所の機能をリハビリしていくことが重要になってきます。
僕自身では、目の動きであったり、前庭器官の働きをチェックして、そこまで異常はないということは確かめたのですが、光に過敏になる、頭痛になるという症状が起こったため、この先も少し様子を見て、自分で改善していかなければいけないと考えているところです。
なぜ痛みは残るのか — 脳の「解釈」の問題
話は戻りますが、最終的に僕がこの肩の痛みを改善できた方法を、皆さんにもお伝えしていきたいと思います。約1か月続いて放置し続けた痛みですが、1つのドリルを1日数回続けたところ、今では全く肩の痛みはなく、上げられるようになりました。こちらを皆さんに、お詫びのしるしとしてご紹介していきたいと思います。
これからご紹介するエクササイズはゴムバンドを使っていただきます。持っていない方は買っていただきたいんですけれども——
僕たちが感じている痛みというのは、脳が何かしらの刺激に対して危険を感じたことによって、身体の動きに「痛み」という反応を結び付けることによって起こります。それは必ずしも侵害受容の感覚だけがその痛みに関与しているわけではありません。
つまり、その部分に起こっている痛みをどんな風に脳が解釈するか、それが大きく自分の痛みの感覚に関わっています。
その解釈次第では、もうすでに痛みが治っているにもかかわらず、その部分からの他の刺激——ただ動かすだけ、ただ腕を上げるだけの刺激に対しても、脳は痛みを作り出しているということが起こっていたりします。
ですので、今回僕が肩を痛めたときにしたことというのは、思い切りボールを投げて、肩ができていないにも関わらず、この部分の関節包、靭帯、筋肉に牽引の力をかけたということになります。
実践 — バンドで肩を圧縮しながら動かす
そこで僕が今回行ったトレーニングは、肩を圧縮した状態で動かしていく。動きに対する固有受容覚、感覚のインプットを変えていくということをしました。
その結果、脳、中枢神経レベルで僕の肩の動きに対する解釈が変わって、痛みが取れたのだと推測します。
⚠️ 肩の痛みが強い、夜も痛む、腕がまったく上がらない、力が入らない場合は、腱板断裂などの可能性があります。まず整形外科を受診してください。また、これから紹介する動きで痛みが出る場合は、そのまま続けないこと(後述しますが、痛みが出るならこのワークは合っていません)。
セットアップ
その時にどうやったのかというと、かかとでバンドを踏んで、後ろから回してきます。

肩がバンドによって、少し関節に対して押し付けられているような状態を作ります。
① 内外にねじる
この状態で、まずは内外にねじることを行います。


あくまで皆さんに感じてもらいたいのは、ここで痛みがあるかないかということです。
おそらくここで痛みが出るという方は、このワークが合わないということになってきますので、僕の別の記事で痛みの改善方法を探していただきたいのですが、これをすることによって、普段何もなく動かすと痛いなと思っていたものが「大丈夫」となるようであれば、このエクササイズが効いているということになります。
② 円を描く
そしてここから、もう少し動きを強調していきます。まず最初は円を描いていきます。反対回りもやります。

次に外捻りを保った状態で、同じように内回り・外回り3回ずつ円を描いていきます。反対もやります。

次に内捻りを保った状態で3回、反対回りもやります。

③ 痛かったポジションで小さく動かす
次に痛かったポジションに持って行って、小さく動かしていきます。

あくまで痛みがない中で、動きの感覚をもう一度学習していくのがポイントになってきます。
今、僕は腕を関節に押し付けた状態、これを作ることによって、周りにある靭帯や関節包に対する負担が少なくなって、いわゆる感覚のインプットが変わって、脳は痛みを感じていないのだと思います。
そして内捻り。このポジションが一番痛かったんですけれども、ここでも、これをすることによって全く痛みがなく動かすことができます。そして外捻り、同じようにして肩を動かしていきます。
こうしていくと、本当にこれだけのワークなんですけれども、肩のワークアウトをした感じがあります。そして腕を上げてみると、すでに痛みは取れているんですけれども、またさらに動きが改善しているのが感じられます。
受動的なリハビリではなく、脳への学習として
こんな感じで、痛みの治療というと、どうしてもマッサージをしたり温めたりバイブレーションをしたりと、受動的なリハビリを想像される方が多いと思うんですけれども、全ての感覚情報は脳への学習です。
ですから僕は、こういったバンドを使ってトレーニングを行っていくこと、これが痛みを改善することに繋がりました。
もちろん、僕自身がやっていた時には他のいろいろな感覚をチェックしたり、神経の働き、脳の働きをチェックしたりと、全てのことを行っていったんですけれども、最終的に僕に合っていたのは、このバンドを使って関節を圧縮しながら動いていくということでした。
この方法、野球肩であったり、普段肩に筋肉が足りない方など、痛みが取れることがありますので、ぜひ挑戦してみてください。
まとめ
- 痛みは組織の損傷そのものではなく、脳がその動きをどう解釈するかで決まる
- 治っているのに、腕を上げるだけの刺激にも脳が痛みを作り続けることがある
- ドリルはかかとでゴムバンドを踏み、後ろから回して肩を関節に押し付けた状態で行う
- 手順は①内外にねじる ②円を描く(外捻り・内捻りを保ってそれぞれ3回ずつ) ③痛かった角度で小さく動かす
- 痛みが出るならこのワークは合っていない。「いつもは痛いのに大丈夫」なら効いている
- 関節を圧縮すると靭帯や関節包への負担が減り、インプットが変わって脳が痛みを出さなくなる
- 受動的なマッサージではなく、感覚情報はすべて脳への学習と考える
- ⚠️ 頭を打ったら自己判断せず受診を。症状があるうちの運動再開は危険
- ⚠️ 夜間痛・挙上不能・脱力があるときは、まず整形外科へ
