パソコン仕事のあと目が重い。ドライアイが気になる。目の疲れが首こりやイライラにまでつながっている気がする——目薬をさしても、目を温めても、その場かぎりで戻ってしまいます。
こんにちは、宮崎ほくとです。神経科学に基づいたトレーニングの資格を持つトレーナーとして、体を根本から変える方法をお伝えしています。
結論からお伝えすると、眼精疲労の改善は「多すぎる刺激を減らして、足りていない刺激を増やす」に尽きます。減らすのは中心視野への刺激。増やすのは三半規管と首の筋肉への刺激です。この記事では、それを30秒ずつでできる4つの方法としてお伝えします。
眼精疲労を改善する考え方
今回は、眼精疲労・疲れ目を30秒で解決していく方法を4つ、皆さんにお伝えしていこうと思います。
現代人の生活の中で、どうしてもパソコン作業が多くなったり、スマホを見る機会が多くなって、「目がいつも疲れてるよ」「ドライアイですよ」それから「目の疲れが首こりであったりとか、普段からのイライラに繋がってますよ」。そんなことを感じられている方、すごく多いのではないでしょうか。
眼精疲労・疲れ目を改善していく上で、すごく重要なポイントがあります。一言でいうと、多すぎる刺激を減らして、足りていない刺激を増やしていくということになります。
これは僕が勉強している機能神経科学の観点から考えていくとわかることなんですけれども、コンピュータースクリーンやスマホを見ていると、どうしても視覚情報の刺激が多くなってくるじゃないですか。
目の機能というのは中心視野と周辺視野というものに分かれます。ですから、この中心視野——焦点を合わせてじっと見る、この刺激を減らしていってあげること。
そして足りていないほかの刺激。例えば首の筋肉の働きであったり——首の筋肉というのは、実は目の動きと協調して動くようになっています。
そして三半規管への刺激。なかなか知られていないですが、目と三半規管というのは常に協調して働いていますので、こういったところへの刺激が減ってくると、眼精疲労の原因だったりとか「目がうまく使えませんよ」「目の機能がうまく働きませんよ」ということの原因となってきます。
ですから今言ったみたいに、多すぎる視覚情報の刺激を減らして、少なすぎる刺激を増やしてあげること。それによって皆さんの眼精疲労を改善していきます。
⚠️ 急に見えづらくなった、視野が欠ける、目に痛みがある、頭痛や吐き気を伴う——こうした場合は、眼精疲労ではなく治療が必要な目や脳の病気の可能性があります。まず眼科を受診してください。
① パーミング — 暗闇を「意識的に見る」
まず最初の1つ目なんですが、すごくシンプルなテクニック。これはよく知られているテクニックでパーミングというものを行っていきます。
1番最初に言った多すぎる刺激を減らしていくということなのですが、何をしていくかというと、目をつぶっていただいて、その目を手で覆い隠すようにして暗闇を作っていきます。

一般的には、ここを「ただ目を隠しましょう」ということだけ伝えられているのですが、もっと大事なことは、暗闇を作った状態で、暗闇を意識的に見ていくということなんです。
ですから、目をつぶって暗闇になっているから何も見えないのですが、ただぼーっとしているのではなく、暗闇の中を意識的に見ていくということをしていくことによって、視神経を休めていくことができます。
まずはこれを30秒していきます。
⚠️ 手で目を覆うときは眼球を押さないよう、手のひらでふんわりと覆います。目に触れる前は必ず手を洗い、コンタクトレンズは外してから行ってください。
② 三半規管の刺激 — 目を閉じたまま首を動かす
2つ目のテクニックは何をしていくのかというと、今度は三半規管の刺激ですね。三半規管の刺激というのは、首を動かしていけばいいわけなんですね。
これをしていく中でも、同じように多すぎる視覚情報の刺激を減らして、暗闇を常に見るように意識をしながら動かしていくということをしていきます。
まず目をつぶって。もちろん手で隠してもいいのですが、そういったことが難しい場合にはこのままでも構いません。

ですが必ず瞼の先を見るようにしてください。
左右に向ける
その状態で右左右左、首を動かしていきます。


だけど、これは結構ペースが早いです。皆さんの場合はもう少しゆっくりやっていったほうが気持ち悪くならないかもしれません。だいたい10往復くらいやっていきます。
縦方向
今度は縦方向ですね。縦方向にも同じように動かしていきます。


あくまでも目線をちゃんと前を見るということを意識しながら動かしていくようにしてください。
これは結構難しいです。意外と、目をつぶった状態で前を見るということをなかなかしていないので、そういったことに意識が向かないと思うのですが、そこを意識的にやっていくのがポイントです。そうすると、瞼の後ろで目が微妙に動いていることが感じられると思います。
やっている中でもう1つ重要なポイントは、目に異常な緊張を作らないということですね。頑張って閉じようとしたりとか、顔にしわを寄せてみたりとか。こういう緊張を取り除きながら、リラックスした状態で呼吸しながら動いていく。なんてことのないことなのですが、意外とできないことが多いです。
左右に倒す
そして次に、左右に首を倒していきます。同じようにしてこんな感じ。


実は知られていないのですが、こうしている中でも目というのは、倒れた頭の方向とは反対方向に回転する動きが常に加わっています。これは人間の身体の反射になってきますね。
⚠️ 気持ち悪くなったら、すぐにゆっくりに落とすか中止してください。めまいの持病がある方は、座って小さい動きから始めましょう。
今のを終えたところで目を開けてみると、だいぶ視野が広がったような、周りが明るくなったような、目がリラックスしたような、そんな感覚を感じていただけているのではないでしょうか。
③ 目の動きの改善 — 触りながら円を描く
今度は目の動きの感覚を作っていくことになります。
どういうことかというと、1回実験してもらいたいのですが、まず最初に目をつぶってもらって、この状態で目で円を描けますか?これ、難しくないですか?
これをしていく上で感覚情報を足してあげると、目は「あっ、こういう風に動けば円を描けるんだ」ということを認識して動きが改善してきます。
なのでどうしていけばいいかというと、すごく簡単ですね。触っていけばいいんです。目をつぶって、こんな感じで目を触っていきます。


⚠️ ここでも眼球を押し込まないでください。まぶたの上からそっと触れる程度に。緑内障・網膜の病気・目の手術後の方は行わないこと。痛みや見え方の異常を感じたらすぐ中止し、眼科へ。
この状態で、上からゆっくり円を描いていきます。

そうすると、ただ目をつぶって目を動かそうとしたのではなかなかうまく動かせなかったのが、今かなりスムーズに動かせるようになったのを感じられたのではないでしょうか。
人間の体の動きというのは、感覚のフィードバックがあることによって改善していくことができるわけなんですね。ですからこれを使って、同じように反対回りもしていきます。
これも何回かやっていただきたいのですが、やった後に目を開けると、もちろん目を触った後なので少しモヤモヤというのはあるのですが、「だいぶ目の緊張が抜けたかな」「ほぐれたな」という感じがあるのではないでしょうか。
④ 首の筋肉のトレーニング — 危険性を理解してから
そして最後に。これは人によってはすごく危ないというか、危険なことにもなるので気を付けてやってもらいたいのですが、首の筋肉を働かせていくというものになります。
なぜ危険かというと、これからやっていくポジションは、人によっては脳梗塞を発症する可能性があるポジションということになってきます。
これは本当に可能性としては数パーセントなんですけれども、そういったリスクを感じている方、もしくは血栓がありますとか、そういった方は、これから行うポジションに首を持っていくと途端に脳の血流・首の血流がよくなって、その血栓が流れ始めて脳梗塞が起こってしまうみたいなことが稀にあります。
ですので、そういったことを感じている方、危険性があるのではないかなと思っている方はここでやめておいて、ここまでのエクササイズを続けていただくか、もしくはご自身の判断の中で行なっていくようにしてください。僕は責任は取れませんのでね。
⚠️ 「上を向いて・横に倒して・ひねる」という首のポジションは、椎骨動脈に負担がかかることが知られています。以下に当てはまる方は行わないでください:高血圧・動脈硬化・脳梗塞や心疾患の既往がある/血栓症の指摘を受けたことがある/首の骨に問題がある/めまいの持病がある/妊娠中。実施中に、めまい・吐き気・物が二重に見える・ろれつが回らない・手足のしびれが出たら、直ちに中止して救急受診してください。不安がある方は、ここまでの①〜③だけでも十分に効果があります。
やり方
やり方なんですが、これもすごく簡単です。まず最初、上を向いていきます。この時に耳の後ろのあたり、ちょうどこのあたりに手を当ててもらって、ここから上を向いていきます。

上を向いたら、今度は耳の下だけを使って片側に頭を倒します。

そして倒した方向に頭を向けていきます。

そうすると、ちょうど頭蓋骨の一番下あたりにギュッと緊張感が作れると思うのですが、ちょっと筋肉がグッと縮まった感じ。これをゆっくり強めていくようにしながらグッと力を入れていきます。
上を向いて、軽く横を向いて、軽く首を傾ける。ここでこのあたり、後頭下筋群というのですが、この筋肉に、上を向いて・横を向いて・横に倒すというこの動きを強めながら緊張させていくと、このあたり全体に緊張が作れると思います。

これをやっていく中でも、僕は目を開けていたのですが、皆さんは目をつぶって行なっていくようにしてください。片側ができたら、同じように反対側もやっていくということになりますね。
グッと緊張してあげて、リラックス、という感じでやっていくと——僕、これはめちゃめちゃおすすめなんですけれども、なぜか首のトレーニング、軽く筋肉の緊張を作ってあげただけなのですが、これでもかなり目がすっきりしてきたりします。
まとめ
今の4つの中で全部やっていただいてもいいですし、どれか1つ「これめちゃめちゃ良いな」と思ったものがあるのであれば、それを日常的にやっていくことによって、皆さんの眼精疲労・目の疲れは圧倒的に軽減されることになります。
- 眼精疲労の原理は「多すぎる刺激を減らし、足りない刺激を増やす」
- 減らすのは中心視野への刺激。増やすのは三半規管と首の筋肉への刺激
- ①パーミング:手で目を覆い、暗闇を意識的に見るを30秒
- ②三半規管:目を閉じて瞼の先を見たまま、首を左右・上下・左右に倒す(各10往復)
- ③目の動き:まぶたにそっと指を当て、ガイドにしながら目で円を描く(両回り)
- ④後頭下筋群:上を向く → 横に倒す → 倒した方向へ向く、で緊張を作る
- ④は椎骨動脈に負担がかかるポジション。著者自身が「人によっては脳梗塞の可能性がある」と明記している
- ⚠️ 血栓・高血圧・脳梗塞の既往などがある方は④を行わない。①〜③だけでも効果はある
- ⚠️ 眼球は押さない。手を洗い、コンタクトは外す
