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2018.04.04

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運動神経を良くするには?~脳のインプットとアウトプット~

運動神経を良くするには?~脳のインプットとアウトプット~
(この記事は2019年4月5日に更新されました)
運動神経を良くするにはどうしたら良いのか?どんなに筋力をつけても、持久力があがっても、生まれつき才能のある選手はなにかが違う気がする。
そんな風に考えたことはありませんか?
今回は、身体能力を高めるという広い視点に立って、一般的に広まっているスポーツの練習や、トレーニングとは違った考え方をご紹介ししたいと思います。
筋力トレーニング、体幹トレーニング、ファンクショナルトレーニング、そこから更に一歩進んで、より体のパフォーマンスを高めていきたいとお考えのあなたに是非読んで頂きたい記事です。

運動神経を良くするには?感覚をトレーニングすると言う考え方

運動神経の良さとは?神経の三つの役割

一般的にトレーニングや練習は、体を動かすことで体の動きを学習していきます。しかし、動きのパターンや癖はなかなか変わらなかったり、意識の問題では説明できない事が多くあります。
そこで私たちの脳が、動きを作りコントロールしている仕組みを考えると、多くの人が見逃している大切な要素があることに気づきます。
それは「私たちの体の動きは感覚情報をもとに作られている」ということです。
「脳と神経」には大きく分けて三つの役割があります。
一つ目は周りの状況を感じる「インプット」
  • 視覚、聴覚、臭覚、味覚etc
  • 運動感覚、バランス感覚(前庭感覚)
  • 内臓などの体内の感覚
二つ目は、すべてのインプットを統合して情報に意味付けをする「解釈」。
  • インプットの情報が安全か否か?
  • 次にどんなアクションを起こすべきか?
  • どの感覚に注意をむけるべきか?
そして三つ目は、意識的にも無意識にも何かアクションを起こすシグナル「アウトプット」です。
  • 体を動かすこと
  • 体を守るための反射的行動
  • 何かを考えること
  • 体のどこかに発する痛み
この三つが言わばループのように働く事で、僕たちは生活しています。
そして、運動神経の良い人とは、この3つが良い状態で機能している人の事です!!
見ていただくと分かるように、私たちが変えたいのはアウトプットです。
しかし、良いアウトプット(体の動き)にはインプット(感覚情報)の質や精度が最も重要です。
動きのクセを意識して治したり、ひたすら同じことを練習するだけではなく、自分に足りていない感覚情報を脳に与える事が大切なのです。

例えば、肩の動きに問題がある人。手首の感覚が無いために脳が動きを制限しているかもしれません。そんな時に、手首の動きを練習すると、一気に肩の動きが良くなったりします。

手首のモビリティトレーニング

注目して欲しいのは、「体の痛み」もアウトプットに含まれていることです。感覚情報が不足し、未来への予測精度が充分でない時に、脳は痛みを作ります。体に問題があるから痛い訳ではありません。

足りてない感覚情報を補う事は、腰痛や肩こりなどの痛みを改善することにもつながります。

感覚をトレーニングして運動神経を高める。

感覚をトレーニングする事とは、充分に機能できていない感覚神経を刺激してあげる事です。そのため、私が紹介するトレーニングでは普段使われない関節を動けるようにする事を最初に考えます。
ジョイントモビリティトレーニング
ではどんな時にインプット(感覚情報)は不足するのでしょうか?その理由は大きく分けて二つあります。

1 充分に使われていない

神経細胞は生き続ける為に、栄養以外に必要な物があります。
それは「刺激」です。
しばらく使われなかった感覚神経はだんだん退化して行きます。そういった現象は、普段使われていない関節やケガの箇所で多く起こります。
スポーツや普段の動きの中で、どこの関節が動いてないのかを見つけてください。
感覚は、使えば使うほど鋭く、細かくなっていきます。
2 ケガなどで神経がダメージをうける
気づかないうちに感覚神経がダメージを受け、充分な情報を脳に届けていない事があります。
たとえば、足首の捻挫など。
神経がダメージを受けて、感覚が充分でないまま動いてしまっていることはよくある事です。そんな時に、体は本来の良い動きをしてくれません。
無駄にハムストリングスに緊張を作り、ストレッチでもなかなか柔らかくならない…..こういったことがよく起こります。

感覚のトレーニング

これから皆さんには、感覚情報の大切さを知ってもらうために、簡単なデモンストレーションをご紹介します。

実際にトレーニングとしても使える簡単な手の感覚ゲームです。

「後索」という感覚神経路の働きを左右でチェックしていきます。

2人1組で行ってください。

まずは、前屈の硬さをチェックします。

片手ずつ行なっていくのですがやり方は簡単です。

まず、テストされる人は目を瞑り、指を2本タッチしてもらいます。そして触った指の間に何本の指があるのかを当てて行きます。

たとえばこんな場合、2本が正解です。5回行なって正解数をカウントします。

 
反対の手を同じようにチェックします。

正解数が少ない方の手をもう一度行うのですが、今度は数字を言った後に目で見て確認するようにします。このフィードバックがトレーニングになります。

最期のトレーニング5回、計15回が終わったところでもう一度前屈をチェックしてみます。

いかがでしょうか?ほとんどの人で柔らかくなる効果を感じていただけたかと思います。全問正解できた方は、同じことを足の指でやってみてください。

まとめ

今回行ったのは、正確な情報が必要な手の感覚をトレーニングする事です。感覚情報の大切さをお分かりいただけたでしょうか?
「こんなちょっとしたことで体が変わるなんて!」と驚かれた方も多いと思います。
一般的なトレーニングでは、意識して正しい動きを覚えていくこと(アウトプット)だけにフォーカスしがちですが、一度立ち返り、足りていない感覚情報を増やすと言う視点でトレーニングを行ってみて下さい。
脳は、充分なインプットの下で、自然に筋力や可動域などのストッパーを外し、本来の効率の良い動きを取り戻します。
筋肉は最大限に働くと、誰でも自分の骨を折る程のパワーが出ると分かっています。
そんな事が起こらないように、脳が常にリミッターをかけているのです。
今回ご紹介したのは、体のリミッターを外していく為の考え方です。
感覚をトレーニングする事で、より動ける体を手に入れましょう。
コメント、質問、シェアお待ちしています。

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この記事をかいた人

宮崎 ほくと

宮崎 ほくと

〜馬とはカラダで会話する〜究極の【人馬一体】を目指す現役JRA騎手。日本で様々なトレーニング・整体・ボディーワークを経験。自ら渡米し最新の脳神経学に基づくトレーニング理論を学ぶ。

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