姿勢もトレーニングも気をつけている。それなのに、日によって力の入り方やバランスが違う。その差が、口の中の「舌の位置」で決まっていたとしたら?
こんにちは、宮崎ほくとです。神経科学に基づいたトレーニングの資格を持つトレーナーとして、体を根本から変える方法をお伝えしています。
結論から言うと、舌を正しい位置に置くだけで筋力が最大30%変わることが研究で示されています。口の中は多くの脳神経が集まっている場所だからです。この記事では、正しい舌のポジションと、意識せずにそこへ導く「Cheesy grin」というエクササイズを紹介します。
⚠️ 顎関節症や口・顎に痛みのある方は、口角を上げる動作を無理に行わないでください。また、いびきや睡眠時無呼吸、飲み込みにくさ・むせやすさ、噛み合わせの問題がある場合は、歯科・耳鼻咽喉科など医療機関で相談してください。お子さんの舌の位置や口呼吸も、小児科や小児歯科の領域です。
(この記事は2019年5月24日に更新されました。)
今回のテーマは「舌のポジション」です。
ヨガなどでは昔から、舌を正しい位置に保つ大切さが言われてきました。
多くの人が、直感的に舌のポジションで体の調子が変わることを実感していたのですが、最近になり、その影響が実験で証明される様になりました。
ある研究では、舌のポジションを正しい位置に置くだけで、30%も筋力が上がるというのです。
一体どういう事でしょうか?
今回は、そんな「舌の位置」と、改善の為のエクササイズについてお話ししていきたいと思います。
舌のポジションで筋力が30%アップ!?
舌のポジションに関する研究
人間の体に関して、日々新しいことが研究され、分かりつつある現代。
多くの研究では、体の変化を計測する基準として、筋力テスト(アイソキネティックテスト)が用いられてきました。
しかし現在、過去の膨大な研究でも使われてきたそのテストの信頼性が、疑問視されています。
なぜなら、ある研究で明らかになったのは「舌のポジションを変えるだけで、筋力に最大30%もの違いが出る」と言うことだからです。
The acute effect of the tongue position in the mouth on knee isokinetic test performance
また別の研究では、160人の健康な成人男性を対象に、被験者のバランスと舌のポジションの関係性を調べました。
その結果……..舌が「正しいポジション」にある時に限り、重心の安定が増すことが分かったのです。(閉眼で不安定な足場に立った時の、重心の加速度を計測)
この様に、舌の位置が体に与える影響は、明らかになりつつあります。
「正しい舌のポジション」とは?
舌の位置が体のパフォーマンスに大きな影響を与えている事は、お分かり頂けたと思います。
では「舌の正しいポジション」とは一体どこなのでしょうか?
その場所は「生理学的休息位置」と呼ばれ前歯の後ろにある、上顎のくぼみにあります。

この場所に、舌の上面がついている状態こそが、様々な研究で良い結果が観測される「舌のポジション」なのです!

上顎そして舌は、多くの脳神経が集中している箇所です。そのため、中枢神経から運動のコントロールへの影響が大きい場所と言うことが予測出来ます!
人間の舌は、本来この位置に収まる様にデザインされています。しかし、哺乳瓶による授乳、その他の理由から、正しい位置を幼少期に学習できていない事が多くあります。
その影響は、筋力やバランスだけでなく、様々な不調の原因にもなります。
- 自律神経の乱れ
- 口呼吸
- 視力
- 首の不安定
- 嚥下(飲み込み)
口腔内を支配している脳神経の多様性を考えると、舌のポジションが、これらの問題に影響を与えていることは、容易に想像がつきます。
ここで皆さん一度読むのをストップして、自分の舌に注意を向けてみましょう。
上顎についてますか?
それとも下に落ちていますか?
もし、正しいポジションに無いことに気づいても安心してください。これから行うトレーニングで、簡単に改善していく事が可能です。
舌のポジショントレーニングfrom z-health
一般的には、舌のポジションを正すために、舌の筋肉を鍛えたり、意識的に舌の位置を変える事が推奨されています。
しかし現実的には、筋肉を鍛えるだけで舌が正しいポジションに戻る事は難しく、ましてや正しい位置を言葉や絵で説明されても、なかなか理解しづらいと思います。
そこで僕が紹介したいのは、意識的な努力を最小限に、舌を正しいポジションに導く方法です。
この練習をこまめに繰り返す事で、脳が正しい舌の位置をもう一度学習し直す事ができます。
しかし、かなり見た目に違和感があるので注意して下さい。(笑)
このトレーニングの名前は“Cheesy grin”直訳すると『うさんくさい笑顔』です。
1.眉毛を上に持ち上げて、眼を見開きます。

2.歯と歯をつけた状態で思いっきり口角をあげます。
そうすると、ちょうどこんな感じになります。↓↓
1人でいたら、確実に怪しい人です。(笑)

3. その状態で、嚥下(物を飲み込む動作)をします。
ゴクリ……… この時、舌の奥が自然に上顎に押し上げられるのを感じて下さい。舌先は、上の歯の少し後ろに収まります。このポジションが、舌の正しい位置です。

このエクササイズを、1日の中でこまめに行います。
これだけなのですが、脳は正しい舌の位置を覚える事ができます。
ある程度慣れてきたら、ふとした時にこのポジションをキープしながら普段のエクササイズや日常の動作を行う練習をしてみて下さい。
目標は、このポジションが、あなたの普段の舌のポジションになることです。
まとめ(様々な効果)
いかがでしたか??
口の中など普段意識しない場所なので、かなりの違和感を感じたのでは無いでしょうか?
ポイントは…… 「ずっとその位置をキープしよう」と意識するのではなく、1日に何回か、体に思い出させてあげる事です。
その内、無意識にも、舌がその位置にある事に気づくはずです。
そして、舌の位置を改善していくメリットは筋力やバランスだけではありません!
実験では、「計測結果が明確な基準」として筋力やバランスが使われました。
しかし実際には、様々な不調との関連も指摘されています。
舌の位置を整えることは、自律神経・口呼吸・視力・首の安定・嚥下といった、体の様々な働きにつながっています。
まとめ
- 研究では舌の位置を変えるだけで筋力に最大30%の差が出た。過去の筋力テストの信頼性が問われるほど
- 別の研究では、正しい位置にある時に限り重心の安定が増した(閉眼・不安定な足場で計測)
- 正しい位置は「生理学的休息位置」=前歯の後ろにある上顎のくぼみ
- 口の中は脳神経が集中している場所。だから運動のコントロールへの影響が大きい
- ずれていると自律神経・口呼吸・視力・首の安定・嚥下にも関わる
- 直し方はCheesy grin(うさんくさい笑顔)。①眉を上げて眼を見開く ②歯をつけて口角を上げる ③その状態で飲み込む
- コツはキープしようと頑張らないこと。1日に何回か体に思い出させる
- 目標はその位置が「普段の舌の位置」になること
関連記事
コメント、感想、シェア、お待ちしております!
