2020.03.09
- 身体能力を高める
産後の女性は必須!アスリートが教える骨盤底のエクササイズ
2011年に行われたひとつの統計では4000人の女性の中で67.5%もの人が骨盤底に何かしらの問題を抱えている事が分かりました。
実は、女性に限らず多くの人が問題を抱えています。
そして骨盤底は、腰痛や自律神経、性機能の問題、そして体幹の安定を考える上でもすごく大切な場所です。
実は私も、骨盤底に大きな問題を抱えていた1人。
今回は、そんな骨盤底のお話と簡単なエクササイズを紹介したいと思います。
骨盤底のケガ
騎手になってからの私のケガ歴をお話しすると、その中でも最も痛かったランキングに必ず名前を連なるのが「会陰裂傷事件です」
会陰と書いて(えいん)と読みます。
皆さん、どこの事だかご存知でしょうか?
そうです。お尻の穴と大切な部分の間です。今回お話しする骨盤底とは、私のケガした部分を含むエリアの事です。
実際に何が起こったのかというと…..馬に蹴られました(笑)
あの時、ほんの少し当たりどころがズレていたらと思うと未だにヒヤヒヤします。
ゲートから出た直後に馬が躓き落馬。
うつ伏せで横たわる私に、走り出した馬の前足がクリーンヒット。
股間血塗れの私は、そのまま病院に搬送されました
その後、ケガ自体は回復したのですが、骨盤の動きの悪さが後遺症として残りました。
それが座骨神経痛や、馬に乗っている時の軸のズレの原因となっている事が分かったのは、しばらくたってからになります。
私のように、馬に蹴られる様な事は稀ですが、女性であれば、お産の時に会陰を切る事は珍しくないでしょう。
男性であっても、体操競技などでダメージを負う事、強く股間を強打した経験なんかをお持ちの方は意外と多いと言われています。(男性人口の4〜10%と言われている)
そしてこれらの事が原因で、様々な問題が起こっている事が多くあります。
また、そういった過去のケガが無くても、この部分が機能的に働くことは、体幹の安定や、股関節の柔軟性にもすごく大切です。
骨盤底の役割と構造
骨盤底は2つの坐骨、恥骨と尾骨の4点を結んだ面にある筋肉です。
大きく分けて三つの層に分けられます。
⒈最表会陰層
・球海面体筋bulbocavernosus
・坐骨海面体筋ischiocavrnosus
・浅会陰横筋superficial transverse perine
・外肛門括約筋external anal sphinctor
⒉深泌尿生殖器膜層
・尿道圧迫筋compressor urethera
・尿道膣括約筋uretovaginal sphincter
・深横会陰筋deep transverse perineal
⒊骨盤膜
・肛門挙筋lavator ani
・尾骨筋coccygeus
・梨状筋piriformis
・内閉鎖筋obturator internus
その役割は、内臓を支える事、排泄、性機能などなどです。
普段意識する事も少ないため、あまり重要視されませんが、実はすごく大切な筋肉群です。
骨盤底の働きの悪さは……
・おしっこの問題
・腰痛
・自律神経の働き
・体幹の不安定
・股関節の硬さ
・性機能の低下
として多く現れます。
本当は、ベンチプレスとかよりも先にトレーニングが必要な筋肉だったりして…….
骨盤底のエクササイズ
骨盤底のトレーニングがあまり行われてない理由のひとつは、意識するのがすごく難しく、行っている実感がなかなか持てないからです。
今回は、誰でも簡単に骨盤底のトレーニングを始められる方法をご紹介します。
腰痛や産後に起こる様々な問題に、是非試してみて下さい!
まず、直径15〜20センチほどのエクササイズボール(ゴムボール)などを用意してください。
そして、坐骨の間にボールがフィットするように、その上に姿勢を正して座ります。
今ボールが当たっている箇所が骨盤底です。
もし痛い時は、少し空気を抜いてみてください。
しばらく座ってみて、リラックスできたら、少し骨盤底を動かします。
まずは息を吐きながら、ボールをつまみ上げるように力を入れてみます。
次に、息を吸いながら、ボールを少し押すように力を抜きながら骨盤底を広げていきます。
実は、力を入れるよりも、抜く方が難しい事が多くあります。
ですから、骨盤底を広げる動作には、倍の時間をかけて集中しながら行ってください。
以上の動きを、3〜5回ゆっくり繰り返してみます。
ボールを取り除いて、立ち上がってみると、少し楽に立てている感覚がありませんか?もし、そんな感覚を感じれたら、しばらくこのエクササイズを続ける事を習慣にしてみてください。
まとめ
今日は、簡単な骨盤底のエクササイズをご紹介しました。
しかし、骨盤底のリハビリはこれだけではありません。神経から考えて、感覚と動きを取り戻すには以下のような方法もあります。
・筋膜で繋がっている横隔膜や舌のトレーニングを合わせる。
・骨盤底のコントロールに大きな役割を果たしている補足運動野(SMA)を刺激する。
・神経根がある胸髄10番〜腰髄2番、仙髄2〜4番をストレッチ。
・内転筋や大臀筋と区別して使えるようにトレーニング。
以上のような事を取り入れていくと、骨盤底の機能は驚く程改善されていきます。
いずれにしても、最初の段階としては、骨盤底の筋肉の感覚を感じ、呼吸と共に動く感覚を感じる事が重要です。
ぜひ試してみてください。
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