足を組むと太ももの内側が痛い。階段の昇り降りがつらい。ランニングをすると痛みが強くなる——股関節の内側の痛みは、揉んでも押しても、なかなか抜けてくれません。
こんにちは、宮崎ほくとです。神経科学に基づいたトレーニングの資格を持つトレーナーとして、体を根本から変える方法をお伝えしています。
結論からお伝えすると、あなたの痛みは「今まで動いてきた結果」としてそこに表れています。だから改善すべきは普段の自分の動き方であり、それは自分で動いてみることでしか学習できません。この記事では①閉鎖神経を動かして代謝を改善する ②股関節の動き方そのものを学習し直すという2部構成のエクササイズをお伝えします。
⚠️ 股関節の内側の痛みには、関節唇の損傷や骨の病気、鼠径ヘルニアなど医学的な治療が必要な原因が隠れていることがあります。安静にしていても痛む、夜に痛む、足の付け根が腫れている、しびれや力が入らない感じがある、痛みが日ごとに強くなる——こうした場合は必ず整形外科を受診してください。この記事の内容は診断や治療の代わりにはなりません。
痛みと「体の問題」はイコールではない
それでは早速エクササイズのほうをやっていきたいのですけれども、その前に、皆さんには考え方を知っていただきたいと思っています。この考え方が、あなたがこれからエクササイズをしていく中で最も重要になってくるからなんです。
おそらくあなたは今まで、多くの整体師さんやお医者さんにこんなことを言われてきたのではないでしょうか。
- 「あなたの股関節の内側が痛いのは骨がずれているからなんですよ」
- 「あなたの股関節の内側が痛いのは筋肉が悪さをしているからなんですよ」
- もしくは「重大な病気かもしれませんね」
ですけれども、こういった身体の問題と痛み、これは直接的なイコールの関係ではありません。
疼痛生理学・痛みの生理学のリーディングサイエンティスト、Dr. ロリマー・モーズリーはこんな風に言います。
「あなたが今、自分の身体が危険な状態にあると信じるならば、神経系と免疫系はあなたの身体に対して痛みの反応を強めるだろう」
つまり、あなた自身が「今、自分の身体に問題が起こっている」このように信じることが、痛みの大きな原因になっているということなんです。ですから、あなたの身体に問題が起こっていようがいまいが、痛みの反応をストップすることができます。
そして多くの人が考える骨のずれ・筋肉の問題、こういったものは本当の問題ではないかもしれません。
実際、僕自身は落馬によるケガで背骨を折っています。その結果として、今でも背骨はぐちゃぐちゃです。ですけれども、痛みもありませんし、動きにも何も問題はありません。
どこに行っても完璧な骨格の人間なんて存在しません。あのウサイン・ボルトですら、背骨がS字に曲がる側弯症だと言われています。
ですから、あなたの痛みもすぐに良くなります。この考え方をしっかり頭に叩き込んで、あなたの痛みの問題を改善していきましょう。
これから行っていくエクササイズは、大きく分けて2つのパートに分かれています。1つ目は神経を動かしてその代謝を改善していくパート、もう1つは自分の動き方を改善していくパートになっています。それでは早速始めていきましょう。
パート① 神経を動かして改善するエクササイズ
それでは、まず神経の代謝を改善するパートから始めたいと思います。動きが少し難しくなってくるので、しっかり確認しながら行なっていくようにしてください。
皆さんに用意していただきたいのは、絨毯など柔らかいものが敷いてある地面、それと壁ということになってきます。
まず痛い動きを確認する
まず最初に、自分が痛い動きを確認していきます。足を組んでもいいですし、足を何回か持ち上げてみて、この時に痛みが出ないかというのを確認してもいいです。もしくは開脚であったりとか、普段自分が痛みの出る動きをチェックしていくようにしてください。
壁に足を引っ掛けてポジションを作る
それを確認できたところで、これから行っていただきたいのは、痛い方の足を後ろにして膝立ちになることです。そして痛みのある方の足を壁に引っ掛けるようにして後ろに下がっていきます。

こんな形で膝を曲げて足をセットできましたら、ここから実際に神経を動かしていきたいと思います。
まず最初に前側の足を少し外へずらしていくと、外側に自分の痛い方の足が開くポジションが作れるかと思います。

作れましたら、今、若干背中が反っている形になっているかもしれないので、そのような方の場合には、少し骨盤を丸めて、背中全体を丸めるようにしてポジションを作り直します。
そうすると内もものあたり、もしかしたら普段痛みがあるあたりにキーンとした張り感を感じられているかもしれません。これを感じていればうまくできている証拠です。
もし「これを感じていませんよ」というのであれば、少し身体をひねったり、もう少し身体を丸めてみる、もしくは足のポジションを少しずらしてみる。こんな風にしながら、太ももの内側・股関節の内側にキーンとした張り感を感じられる場所を探してください。
⚠️ 注意点なんですけれども、これは閉鎖神経という神経になってきますので、もしあまりにも痛みが強すぎるとか張り感が強すぎるという場合には、神経自体を痛めてしまう危険性があります。あくまで心地よいと感じられる範囲で行なっていくようにしてください。しびれや、電気が走るような痛みが出る場合はすぐに中止を。
前後にロッキングする(10回)
そしてこのポジションが作れましたら、前側の膝に自分の手を置いて、そこから前に身体を丸めていきます。

やっている中で少し膝が痛い場合が結構ありますので、そんな時には膝の下にクッションなどを置いていただくことをおすすめしています。

身体全体を丸めていきますと、内側の張り感が若干強まってくるのを感じられると思います。感じられましたら、この状態で前に少しだけロッキングしていきます。前に踏み出すようにしながら身体を動かしていきます。
そうすると、今感じているキーンとした張り感、これが強まったり弱まったり、そうなるのを感じていただけるのではないかと思います。これが感じられていれば、うまくエクササイズ出来ている証拠です。
では、これを10回ほど続けていきます。
終わったところでゆっくり元のポジションに戻って、最初に痛かった動きを確認してみてください。足を組んでみたりとか、足を持ち上げてみたり。すると多くの方で「さっきまで痛かった痛みが全然ないな」そんなことを感じていただけるのではないかと思います。
もし、ここで痛みが全然改善しないよという方であったとしても、次のエクササイズで良くなる可能性がありますので、このまま続けていくようにします。
パート② 自分の動き方を改善するエクササイズ
次に、股関節の動きを改善していくワークをやりたいと思います。
まず最初に、やる方と反対側の足を斜め前に踏み出します。

そして後ろ側の足、これから行う方の足はしっかり伸ばしておくようにしてください。

そして自分の足の一番てっぺん、ちょうど股関節のあたりに手を当てて、ここを動かしていくように円を描いていきます。


水平面上に円を描くように、前側ではなく後ろ側を動かしていきます。反対回りもいきます。
足先の向きを変えて繰り返す
次に、足をちょっとだけ外側に向けてもらって同じようにやっていきます。反対回りもやります。できるだけゆっくり、しっかり動きを確認しながら行なっていくようにしてください。
次にちょっとだけ内側に向けてもらって同じように行っていきます。反対回りもやります。

足の位置を変えて繰り返す
次に、この足を外側に持ってきてもらって同じように繰り返します。

反対回りもやります。足先を外に向けて同じようにやります。反対回りです。
今度は足先を少しだけ内側に向けてやります。

反対回りもやります。
最後は足を斜め前に持ってきて、膝はしっかり伸ばした状態で同じように動きます。水平面上に円を描くように、反対側も。足先を外に向けてやります。反対側もやります。今度は内側に向けて行っていきます。反対側も行っていきます。
もう一度、痛かった動きを確かめる
以上で、股関節の動きを改善するエクササイズは終わりになります。動き方を学習するエクササイズですね。
これをした結果、どんな風に今の足の感じが変わったか、これをもう一度確かめてください。足を組んだり持ち上げてみたり、軽くランニングをしてみたりして、股関節の内側に痛みが出ないかというのを確認してみます。
今日も最後まで見てくださって、どうもありがとうございました。
まとめ
- 骨のずれや筋肉の状態と、痛みはイコールではない。痛みは「危険だ」という脳の判断で強まる
- 変えるべきは普段の自分の動き方。それは自分で動いてみることでしか学習できない
- パート①は閉鎖神経。壁に足を引っ掛けて膝立ちになり、背中を丸めて内ももにキーンとした張りを探す
- そこから前へロッキングを10回。張りが強まったり弱まったりすれば成功
- パート②は股関節に手を当てて水平面に円を描く。足先を外・内、足の位置を後ろ・外・斜め前と変えて繰り返す
- ゆっくり、動きを確認しながら。効果はやる前に痛かった動きで確かめる
- ⚠️ 神経は強く伸ばすと痛める。心地よい範囲で。膝の下にはクッションを
- ⚠️ 安静時痛・夜間痛・腫れ・しびれがあるときは、まず整形外科を受診
